2016/07/13 (水) 23:39
パイナップルジュースが無い…
ようやく見つけたお店の店長さん曰く、パイナップルの現状として果物として販売する分は何とかなるレベルだそうですが、ジュースに回す分までは確保が難しいそうです。
パイナップルを生産している国は裕福ではなく、パイナップルを頑張って育てても安く買いたたかれるので農家さんの志気が下がってしまっている様です。
同じ熱帯地域で作るのであればマンゴーやパパイヤの方が高く売れると言う事で、パイナップル畑がどんどん減っているそうです。
この問題はパイナップルだけではありません。
バニラビーンズの1kg当たりの価格が倍に高騰しました。
その前からじわじわと上がっていましたが、一気に上がりました。
バニラビーンズで有名な国、マダガスカルも同様の問題を抱えています。
日本も例外ではありません。
バター不足が言われて随分月日が経ちました。
最初は乳牛の数の調整のバランスが崩れてしまった事や東北の震災が原因でした。
それは時間が経てばある程度解決する問題でした。
今は酪農家さんの酪農離れが原因になっています。
生き物が相手ですから、24時間、365日、お休みはありません。
苦労して作られた牛乳にも関わらず、酪農家さんに入るお金は少ないと聞きます。
酪農家さんの高齢化に伴い、きつくて生活も厳しい家業を子供達に継がせたくないという思いからご自分の代で廃業という道を選ばれる方が増えていると聞きます。
お菓子の作り手としてとても残念でなりません。
日本のバターの品質と味はとても優れています。
バター不足の時に止むを得ず海外のバターを使用しましたが、生地の状態が悪かったり、味に至っては全くの別物でした。
一パティシエールに出来る事は限られています。
何の支えにもなっていないかもしれません。
当店の様な小さなお店では材料屋さんもバターを卸してくれません。
割高でも別ルートで仕入れています。
一般の人が購入する価格と同じです。
それでも、作るのも食べるのも焼菓子の方が好きな私としては、可能な限り国産バターにこだわって作って行きたいと思っています。
因みにようやく見つけたパイナップルジュースは熊本の会社の物です。
海外メーカーの物もありましたが、震災で工場が潰れたにも関わらず再稼働させて頑張っておられると聞きました。
しかも以前は海外産のパイナップルを使っておられたのを、国産に切り替えられたそうです。
お値段も少し上がったそうですが、味も格段に良くなったと前出の店長さんのお話し。
私は海外産の時のお味を知らないので何とも言えませんが、お菓子に使うにあたって味見して美味しいと思いました。
1個のお菓子に使う量はわずかに30gちょっとです。
それでも支援に繋がるならと思い、これにしました。
定番商品では無いので、本当に微力ですけど…
この会社が作り続けて下さる間は、私もこのお菓子の季節には使わせて頂く事にします。
お菓子を食べる時に少し材料の生産者さんの事を思い出して下されば嬉しいです。